フリーランス法の「1か月以上」「6か月以上」の数え方:発注者の義務がかかる期間の判定

禁止行為は1か月以上、配慮義務と解除の予告は6か月以上の委託が対象です。始期と終期、基本契約、受領のずれ、更新と空白期間の数え方を、条文と公正取引委員会のQ&Aで整理します。

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個別の発注が短くても、基本契約が長ければ期間は長くなり、実際の受領が遅れても期間は変わりません。

このページの要点

  • 禁止行為(5条)は1か月以上、育児・介護等への配慮の義務(13条1項)と30日前予告・理由開示(16条)は6か月以上の業務委託が対象。取適法5条には期間の要件がない。
  • 始期は契約を締結した日(基本契約があれば早い方)、終期は明示した受領の期日、契約の終了日、基本契約の終了日のうち遅い日。初日を算入し、実際の受領の遅れ・早まりでは変わらない。
  • 基本契約が長ければ個別の発注が短くても期間は長くなり、検査の期間を契約の終了日に含めても終期は後ろにずれる。受領の期日と契約の終了日は、具体的な日付で書く。
  • 更新で続く取引は、当事者が同一(法人単位)、内容に一定程度の同一性(日本標準産業分類の小分類が目安)、空白期間が1か月未満、の三つで通算する。迷う発注は対象として扱い、台帳で管理する。

結論:期間の長さで、5条の禁止行為は1か月、13条の配慮義務と16条の予告は6か月を境に分かれる

フリーランスに発注する側の義務は、委託の期間にかかわらず守る必要があるものと、一定の期間以上の委託にだけかかるものに分かれます。禁止行為(フリーランス法5条)は、政令で定める期間以上の期間行う業務委託に限られ、その期間は1か月です(フリーランス法施行令1条)。育児・介護等との両立への配慮の義務(13条1項)と、契約を解除する前の30日前までの予告・理由の開示(16条)は、継続的業務委託、つまり6か月以上の期間行う業務委託が対象です(13条1項、施行令3条)。どちらも、契約の更新によってその期間以上続くことになる業務委託を含みます。

このため、「自社の発注は短いから関係ない」という判断が、実際には数え方を誤っていることがあります。基本契約が長期で結ばれていれば個別の発注が短くても期間は長くなり、実際の受領が遅れても期間は変わらず、月ごとの発注が途切れず続けば通算されます。このページは、禁止行為の中身そのものではなく、どの発注が禁止行為や予告義務の対象になるのかを数える作業に絞って整理します。禁止行為の中身は禁止行為の点検のページで、解除の予告の手順は契約の終了と更新しない通知のページで扱います。

発注者の主な義務と、期間の要件(フリーランス法。2026年10月22日時点のe-Govで確認)

義務条文期間の要件義務を負う者
取引条件の明示3条期間の要件はない業務委託事業者(相手が特定受託事業者の場合)
報酬の支払期日(受領日から60日以内)4条期間の要件はない特定業務委託事業者
受領拒否・減額・返品・買いたたき・購入強制5条1項1か月以上の業務委託(更新で1か月以上続くものを含む)特定業務委託事業者
経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更ややり直し5条2項同上(1項の括弧書きにより、同じ期間の委託に限る)特定業務委託事業者
申出を理由とする不利益な取扱いの禁止6条3項期間の要件はない業務委託事業者
募集情報の的確な表示12条期間の要件はない特定業務委託事業者
育児・介護等との両立への配慮13条6か月以上の継続的業務委託は義務(1項)、それ以外は努力義務(2項)特定業務委託事業者
ハラスメント対策の体制整備14条期間の要件はない特定業務委託事業者
解除・更新しない場合の30日前予告、理由の開示16条6か月以上の継続的業務委託特定業務委託事業者

取適法5条の禁止行為には、期間の要件は置かれていません。取適法の対象になる取引では、期間にかかわらず禁止行為の点検が必要です(対象の判定は対象になる発注者の判定のページ)。

表の読み方は二つです。一つ目は、期間の要件がない義務(3条・4条・6条3項・12条・14条)は、短い単発の委託でも守る必要があることです。二つ目は、期間の要件がある義務(5条・13条1項・16条)は、数え方を誤ると、対象の発注を対象外と取り扱ってしまうことです。以下では、公正取引委員会のQ&Aが示している数え方に沿って、始期と終期、基本契約、受領のずれ、更新と空白期間の順に整理します。

数え方の基本:始期と終期、初日を算入する

公正取引委員会のQ&Aは、期間の始期と終期を次のように示しています。数えるときは、始期となる日(初日)を算入し、初日を1日目とします。

単一の業務委託、または基本契約による業務委託の始期と終期

項目考え方どれを使うか
始期業務委託に係る契約を締結した日(3条の明示で示す「業務委託をした日」)。基本契約を結ぶ場合は、その基本契約を締結した日二つのうち早い日
終期①3条の明示で示す「給付を受領し、または役務の提供を受ける期日」(期間を定める場合は、その期間の最終日)、②別に定めた業務委託に係る契約の終了する日、③基本契約を結ぶ場合は、その基本契約が終了する日三つのうち遅い日

出典:公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」の期間の考え方(2026年10月22日確認)。

個別の発注で始期と終期を決める流れ(基本契約がない場合の一般的な例)

  1. 始期

    業務委託をした日(合意した日)

    契約を締結した日が、3条の明示に書く「業務委託をした日」になる。この日を1日目として数える

  2. 途中

    受領の期日、検査の完了期日、契約の終了日を定める

    発注書に書く三つの日付のうち、最も遅い日が終期の候補になる

  3. 終期

    三つの日付のうち、最も遅い日

    実際の受領が早まっても遅れても、終期は、明示した日付で決まる

「1か月以上」かどうかは、始期から終期までの長さで見ます。発注書の日付の置き方で、判定が変わります。

この数え方では、業務委託をした日が重要です。Q&Aは、業務委託をした日とは委託することについて合意した日であり、口頭の合意でも日として扱われる、としています(詳しくは発注条件の明示のページ)。発注書の日付を、実際の合意の日より後に書いてしまうと、始期がずれ、期間の長さの判断もずれます。

もう一つ、受領の期日は、実際に受領した日ではなく、3条の明示で示した期日が基準になります。発注書に受領の期日を書いていない(または幅のある書き方をしている)と、終期が定まらず、期間の判定が不安定になります。明示事項を漏れなく書くことは、期間の判定の前提でもあります。

基本契約と契約の終了日で、期間が長くなる場面

基本契約を結んでいるとき。個別の発注を行う前に、基本契約を締結している場合は、始期は基本契約を締結した日になります。終期は、個別の発注の受領の期日と、基本契約の終了する日のうち、遅い日です。たとえば、1年間有効の基本契約を結び、基本契約の締結から2週間後に、受領の期日を委託日から10日後とする個別の発注をしたとします。個別の発注の受領の期日は短くても、基本契約の終了日が遅いため、終期は基本契約の終了する日になり、期間は1か月以上になります。この個別の発注は、1か月以上の業務委託として、5条の禁止行為の対象になります。

この整理は、実務の感覚と食い違うことがあります。「個別の発注は10日で終わるのだから、禁止行為は関係ない」と考えがちですが、基本契約を結んでいる取引では、基本契約の期間で見ます。基本契約が自動更新で長く続く取引では、ほとんどの個別の発注が対象になる、と考えて運用するのが現実的です。

書き方の例(一般的な例) 基本契約と期間の捉え方(一般的な例)

個別の発注の期間

よくある書き方個別の発注の納期が短いので、1か月未満の委託として、禁止行為の点検から外している。
整えた書き方基本契約を締結している取引は、基本契約の締結日を始期、基本契約の終了日(個別の受領の期日より遅い場合)を終期として数え、個別の発注も禁止行為の点検の対象にしている。

理由基本契約が先に結ばれていると、個別の発注の短さだけでは、期間が1か月未満にならない。

基本契約の更新

よくある書き方基本契約が自動更新されるため、更新のたびに契約の終了日が延びているが、期間は更新後に数え直している。
整えた書き方更新によって、通算して1か月以上継続することになる場合は、対象として扱う。更新後の契約の終了日と、更新前の期間を、台帳に残している。

理由更新により、その期間以上継続して行うことになる業務委託は、条文上、対象に含まれる(5条1項、13条1項の括弧書き)。

受領の期日より後に、契約の終了日を定めているとき。Q&Aは、3条の明示で示す受領の期日より後の日に、契約の終了日を定めた場合は、終期は受領の期日ではなく契約の終了日になる、としています。検査の期間を設け、その検査期間の最終日を契約の終了日としている場合が典型です。たとえば、受領の期日を委託日から3週間後、検査の期間を3週間とし、検査の期間の終わりを契約の終了日とする発注では、終期は契約の終了日になり、期間は1か月以上になります。受注者に求める納品は短くても、検査の期間を契約期間に含めると、1か月以上の業務委託になる、ということです。

実際の受領が遅れたとき、早まったとき。逆に、実際に受領した日が、明示した受領の期日と食い違った場合は、どうなるでしょうか。Q&Aは、終期を3条の明示で示した受領の期日として数えたときは、実際の受領が前倒しになっても後ろ倒しになっても、業務委託の期間は変わらない、としています。たとえば、受領の期日を委託日から3週間後とした発注で、受注者の作業の遅れにより実際の受領が5週間後になっても、期間の終期は3週間後のままで、1か月未満の業務委託として扱われます。受領が遅れたから、期間が1か月を超えて5条が対象になる、ということにはなりません。

発注書に書く日付と、期間の判定(基本契約がない単発の発注の一般的な例)

発注書の日付の置き方終期になる日1か月以上か
受領の期日を委託日から約2週間後に置き、契約の終了日は定めない受領の期日1か月未満
受領の期日を約2週間後、検査の期間の終わりを契約の終了日として約6週間後に置く契約の終了日(受領の期日より遅い)1か月以上
受領の期日を約3週間後とし、実際の受領は受注者の事情で約5週間後になった明示した受領の期日(約3週間後)1か月未満(実際の受領日では数えない)
受領の期日を約6週間後に置く受領の期日1か月以上

1か月の境目に近い期間は、数え方のわずかな違いで判定が変わります。境目に近い発注は、5条の対象として扱う運用のほうが、点検の漏れを防げます。

更新で続く取引:当事者、内容、空白期間の三つを見る

月ごと、案件ごとに発注を繰り返す取引では、一つひとつの契約は短くても、続けて発注している間は、全体として長く続く業務委託になります。条文は、5条1項と13条1項の括弧書きで、「契約の更新により、その期間以上継続して行うこととなるもの」を含めています。どのような場合に「更新により継続している」とされるか、Q&Aは、次の二つの要件を示しています。

  1. 前後の契約の当事者が同一であり、給付または役務の提供の内容が、少なくとも一定程度の同一性を有すること。
  2. 前の契約(または基本契約)が終了した日の翌日から、次の契約(または基本契約)を締結した日の前日までの期間(空白期間)が、1か月未満であること。

当事者の同一。契約の当事者が法人の場合は、法人単位で判断します。発注者がグループ会社で、各社が同じ受注者に近い時期に発注している場合でも、法人が別であれば、「当事者が同一」とはならず、通算されません(Q&A)。

内容の同一性。給付または役務の提供の内容が一定程度同一かどうかは、機能、効用、態様などを考慮します。その際、原則として日本標準産業分類の小分類(3桁分類)を参照し、前後の委託の内容が同じ分類に属するかで判断します。同じ分類に属する委託の例として、Q&Aは、楽曲の編曲を、曲を変えて続けて委託する場合や、サーバーの設計と、その後の運用・保守を続けて委託する場合などを挙げています。内容の一部だけが同じ場合も、その部分が同じ小分類に属すれば、一定程度の同一性があると考えます。小分類が異なる場合でも、これまでの契約の状況から、前後の委託が通常一体のものとしてなされている状況があれば、個別に判断されます。たとえば、同じ居宅の工事を、大工工事の後に内装工事として追加で発注する場合が挙げられています。

この基準は、発注者の感覚より広く働きます。たとえば、毎月、別の記事、別の案件、別の担当商品について、同じ種類の制作を同じ受注者に依頼しているなら、案件が違っても、内容の同一性は認められやすいと考えられます。案件が毎回違うことは、同一性を否定する理由になりにくい、ということです。

空白期間の数え方。空白期間の1か月は、始期の初日から数えて、翌月の応当日(翌月の同じ日。翌月に応当日がなければ、翌月の末日)の前日までの期間をもって1か月とします(Q&A)。空白期間の始期は、前の委託の終期の翌日です。終期は、次の委託を締結した日の前日です。数え方の例を示します。前の委託の終期が6月30日なら、空白期間の始期は7月1日で、7月31日までが1か月です。次の委託を7月31日までに締結すれば、空白期間は7月1日から7月30日までとなり、1か月未満です。次の委託を8月1日に締結すると、空白期間は7月1日から7月31日までの1か月になり、1か月未満ではなくなります。

前の委託の終期は、3条の明示で示した受領の期日、別に定めた契約の終了日、基本契約の終了日のうち、遅い日です。ただし、実際の受領が明示した期日より遅れた場合は、実際に受領した日と、契約の終了日、基本契約の終了日のうち遅い日になります(Q&A)。空白期間があっても、更新で継続していると判断される場合は、継続した期間は、空白期間を含めて、始期から終期までを数えます。

更新で続く取引が、期間の要件を満たすかの確認

  1. 前後の契約の当事者は、同じ法人(または同じ個人)ですか。

    はい次の問いへ進みます。

    いいえ別の法人どうしの契約は、通算されません。それぞれの契約を単独で数えます。

  2. 給付または役務の提供の内容に、一定程度の同一性がありますか(同じ種類の制作、同じ種類の運用など)。

    はい次の問いへ進みます。

    いいえ同一性がなければ、通算されません。それぞれの契約を単独で数えます。ただし、前後の委託が通常一体のものとして行われているときは、個別に判断されます。

  3. 前の契約が終わった日の翌日から、次の契約を締結した日の前日までは、1か月未満ですか。

    はい更新で継続している取引です。空白期間を含めて、始期から終期までを数えます。

    いいえ空白期間が1か月以上の場合は、更新で継続しているとはされません。次の契約から、新たに数えます。

  4. 通算した期間は、1か月(または6か月)以上ですか。

    はい5条の禁止行為(または13条1項・16条)の対象として扱います。

    いいえ現時点では対象外です。ただし、次の発注で通算するか、台帳で確認します。

場面別に数えてみる:発注者がよく出会う六つの形

ここまでの整理を、発注者がよく出会う六つの形に当てはめます。表の判断は、Q&Aが示す数え方に沿った、一般的な整理です。個別の取引は、日付や契約の内容によって結論が変わるため、実際には発注書と契約書の日付を並べて数えます。

場面別の判定の例

場面数え方5条の対象か
基本契約がなく、受領の期日が委託日から約2週間後の単発の制作を発注した始期は委託日。終期は受領の期日。期間は1か月未満対象外(ただし3条・4条・6条3項は適用される)
同じ発注で、検査の期間を設け、その終わりを契約の終了日として委託日から約6週間後に置いた終期は、受領の期日より遅い契約の終了日。期間は1か月以上対象
1年間有効の基本契約を締結し、個別の発注は受領の期日が10日後の短い制作始期は基本契約の締結日、終期は基本契約の終了日。期間は1か月以上対象
毎月、別の案件について、同じ種類の制作を同じ受注者に、2週間の契約で発注している。間は数日当事者は同じ、内容は同じ種類、空白期間は1か月未満。更新で継続し、通算して1か月以上通算の期間が1か月以上になれば対象
前の契約が終わってから、2か月空けて、同じ受注者に改めて発注した空白期間は1か月以上。更新で継続しているとはされず、新たな契約として数える新たな契約の期間で判断
グループ会社のA社とB社が、それぞれ同じ受注者に、近い時期に発注した法人単位で判断。A社とB社は当事者が同一でないため、通算されないそれぞれの契約で判断

空白期間の数え方や、同一性の判断には、個別の事情が関わります。判断に迷う取引は、5条の対象として扱い、点検の漏れを避けます。

6か月以上の継続的業務委託:配慮義務と解除の予告にかかる数え方

13条1項(育児・介護等との両立への配慮の義務)と16条(解除・更新しない場合の30日前までの予告と、理由の開示)は、6か月以上の継続的業務委託が対象です(13条1項、施行令3条)。数え方は、5条の1か月と同じ考え方で、始期から終期まで、契約の更新によって継続している場合は、空白期間が1か月未満である限り通算します。公正取引委員会のQ&Aも、13条の6か月以上の期間の計算方法は、同様の考え方になる、と示しています。

実務で見落とされやすいのは、次の三つです。一つ目は、契約期間が短い契約を、更新して繰り返している取引です。1回ごとの契約期間が3か月でも、更新を重ねて通算で6か月以上続けば、継続的業務委託になります。この場合、契約を更新しないとき(更新の合意をしないとき)にも、30日前までの予告が必要になります。二つ目は、基本契約を長期で結んでいる取引です。個別の契約は短くても、基本契約の期間が6か月以上なら、個別の契約が継続的業務委託の一部になる可能性があります。三つ目は、更新を自動にしている取引で、更新しないという判断を、一方的に通知するだけで済ませてしまうことです。更新しない場合の予告と理由の開示の手順は、契約の終了と更新しない通知のページに整理しています。配慮義務の中身と申出への対応は、配慮と相談体制のページで扱います。

1か月と6か月で、点検する対象が変わる(一般的な整理)

1か月以上の業務委託

  • 受領拒否、減額、返品、買いたたき、購入強制の点検
  • 経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更ややり直しの点検
  • 契約書の減額・相殺・返品・変更の条項の見直し

6か月以上の継続的業務委託

  • 育児・介護等と両立するための配慮の申出への対応
  • 解除・更新しない場合の、30日前までの予告
  • 予告を受けた受注者から、解除の理由の開示を求められたときの対応

6か月以上の委託は、1か月以上でもあるため、5条の点検も必要です。

社内で期間を管理するための台帳と、発注書の書き方

期間の判定は、一件ごとに頭の中で行うと漏れます。受注者ごとの台帳に、数えるための情報を入れておくと、発注のたびに、対象かどうかを確かめられます。

受注者ごとの台帳に記録しておくこと

  • 受注者の名称(個人は氏名)と、特定受託事業者かどうかの確認の記録。
  • 基本契約の締結日、有効期間、終了日、自動更新の定め。
  • 個別の発注ごとの、委託日、受領の期日、検査の完了期日、契約の終了日。
  • 直前の契約の終期(実際の受領日が、明示した受領の期日より遅れたときは、実際の受領日)と、次の契約の締結日。
  • 空白期間の日数と、1か月未満かどうかの確認結果。
  • 通算した期間が、1か月に達した日と、6か月に達した日。
  • 1か月に達した日以降は、禁止行為の点検を、6か月に達した日以降は、配慮の申出への対応と予告の手順を、確認した記録。

確認の問いと理由発注書の日付を決める前の問い

  1. 受領の期日を、具体的な日付で書いているか

    終期の基準になるためです。「納品後速やかに」のような書き方では、期間の判定が不安定になります。

  2. 検査の期間や保証の期間を、契約期間に含めているか

    契約の終了日を受領の期日より後に置くと、終期が遅くなります。意図せず1か月以上の業務委託になることがあります。

  3. 基本契約の有効期間と、自動更新の定めを確認したか

    基本契約を結んでいる取引では、基本契約の期間で数えるためです。

  4. 同じ受注者に、他の部署や子会社も発注していないか

    法人単位で数えるため、子会社どうしは通算されません。同じ法人の別部署は、同一の当事者です。

条文例第○条(契約期間)

  1. 本契約の有効期間は、○年○月○日から○年○月○日までとする。期間満了の○日前までに、いずれかの当事者が更新を希望しない旨を書面又は電磁的方法で通知しない限り、本契約は同じ条件で○か月間延長される。
  2. 個別の発注に係る給付を受領する期日及び検査を完了する期日は、発注書に具体的な日付で示す。
  3. 甲は、更新を含め、本契約及び個別の発注に係る期間が通算して法令の定める期間以上となるときは、その旨を管理台帳に記録し、法令が定める義務の対象として取り扱う。

契約書に、期間の管理の方針を書いておくと、担当者が替わっても運用が続く。法令の定める期間は、条文の数字に合わせて確認する

確認した資料:フリーランス法(2条・3条〜6条・12条〜14条・16条)、同法施行令(1条・3条)、取適法5条をe-Gov法令検索で、公正取引委員会のQ&A「期間の考え方」を同委員会のサイトで、いずれも2026年10月22日に確認しました。

期間の数え方で起きがちなこと

期間の数え方で起きがちなこと

  • 個別の発注の納期が短いことだけを理由に、1か月未満の委託として扱い、基本契約の期間を見ていなかった。
  • 発注書に受領の期日を書かず、終期が定まらないまま、期間の判定が担当者ごとに違っていた。
  • 検査の期間を契約期間に含めたことで、意図せず1か月以上の業務委託になっていたことに気づいていなかった。
  • 実際の受領が遅れたことを理由に、期間が1か月を超えたと考えたり、逆に、早まったので短くなったと考えたりした。
  • 毎月別の案件を発注していたため、案件ごとに数えていたが、同じ種類の制作を続けていて、更新で通算されることを見落としていた。
  • 契約が終わってから間を置かず再発注していたのに、空白期間を1か月未満かどうか数えていなかった。
  • 更新を繰り返して6か月以上になっていたのに、更新しない場合の予告が必要なことに気づいていなかった。
  • グループ会社が別々に発注しているので通算されないと考えたが、同じ法人の別部署や、事業部ごとの発注は、同一の当事者として通算される点を見落としていた。

数え方が定まったら、対象になった発注について、禁止行為の点検のページの順序で、契約書の条項と運用を確認します。条件の明示そのものは発注条件の明示のページで、元の発注者から請け負った業務を再委託するときの特例は元請としての再委託のページで扱っています。

よくあるご質問

「1か月以上」は、契約書に書いた期間で数えるのですか、実際に仕事をした期間で数えるのですか?

公正取引委員会のQ&Aは、始期を契約を締結した日(基本契約があれば、基本契約を締結した日と早い方)、終期を、3条の明示で示した受領の期日、契約の終了する日、基本契約の終了する日のうち遅い日として数える、としています。実際に受領した日で数えるのではなく、明示した日付で数えます。受領が遅れても早まっても、期間は変わりません。

個別の発注が短ければ、基本契約を結んでいても、5条の禁止行為は関係ありませんか?

基本契約を先に結んでいる場合は、始期は基本契約を締結した日になり、終期は、個別の受領の期日と基本契約の終了日のうち遅い日になります。基本契約の有効期間が1か月以上であれば、個別の発注が短くても、1か月以上の業務委託として、5条の対象になります(Q&A)。

毎月、別の案件を同じフリーランスに発注していますが、通算されますか?

契約の更新により継続して行うこととなる業務委託として扱われるには、前後の契約の当事者が同一であること、給付または役務の提供の内容が少なくとも一定程度の同一性を有すること、前の契約の終了した日の翌日から次の契約を締結した日の前日までの空白期間が1か月未満であること、の二つの要件を満たす必要があります(Q&A)。同じ種類の制作を同じフリーランスに続けて発注しているなら、案件が違っても、通算される可能性が高いと考えられます。

グループ会社が、それぞれ同じフリーランスに発注している場合は、通算されますか?

前後の契約の当事者が同一かどうかは、法人の場合、法人単位で判断します。グループ会社でも、法人が別なら、当事者は同一とはいえず、通算されません(Q&A)。同じ法人の別部署や事業部は、同じ法人であるため、当事者が同一です。

6か月以上かどうかは、1か月以上と同じ数え方でよいのですか?

13条1項の6か月以上の期間の計算方法は、1か月以上の場合と同様の考え方によると、公正取引委員会のQ&Aは示しています。6か月以上の継続的業務委託になると、13条1項の配慮の義務と、16条の30日前までの予告・理由の開示の義務がかかります。5条の禁止行為は1か月以上でかかっているため、6か月以上の委託では、両方を点検します。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、委託の内容や相手方の事業の形によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 公正取引委員会 / 厚生労働省 / 中小企業庁

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