このページの要点
- 明示事項は、当事者の識別、委託日、給付の内容、受領の期日と場所、検査の完了期日、報酬の額と支払期日、特別な支払方法、未定事項を発注書の項目にする。
- 委託をしたら直ちに示す。内容が定められない事項は、理由と予定期日を示し、定まったら直ちに示す。
- 電子メールなど相手方を特定して送る方法で示せる。書面の交付を求められたら遅滞なく交付するが、規則に例外がある。
- 基本契約では共通の事項だけを示し、案件ごとの事項は個別に示す。条件が変わったときは、元の発注書と結び付けて示し直す。
結論:「何を」「どの方法で」「いつ」の三つに分けて、発注書の様式を作る
フリーランスに仕事を頼んだとき、発注者は直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面または電磁的方法で相手方に示さなければなりません(フリーランス法3条1項)。取適法の対象になる取引でも、同じ構造の義務があります(取適法4条1項)。この義務は、「契約書を交わすこと」ではなく、「条件を相手に示すこと」を求めるものです。発注のたびに契約書を作る余裕がなくても、発注書の様式を整えておけば、メールやチャットで済ませることができます。
整え方は、次の三つに分けると迷いません。
- 何を示すか:公正取引委員会規則(公正取引委員会関係の特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律施行規則、以下「施行規則」)1条1項が定める事項を、発注書の項目にする。
- どの方法で示すか:書面を交付するか、電子メールなどの電磁的方法で示す。電磁的方法で示した後に相手から書面を求められたときの対応を決めておく。
- いつ示すか:委託をしたら直ちに示す。発注の時点で決まらない事項があるときは、決まらない理由と予定期日を示し、決まったら直ちに示す。
この三つに加えて、基本契約と個別の発注書の関係、条件が変わったときの示し直し、規約で発注する場合の扱いも整理します。判定の結果、そもそも義務を負う発注者かどうかは対象になる発注者の判定のページで、全体の流れは外注の流れと義務の全体像のページで扱っています。報酬の額を決める段階の書き方は報酬の決め方と書き方のページに置いています。
明示すべき事項を、項目ごとに発注書へ落とす
施行規則1条1項は、明示する事項を列挙しています。次の表は、項目と、発注書に書くときの注意をまとめたものです。条文は、e-Gov法令検索で現行のものを確認しています。
明示事項と発注書への落とし込み(施行規則1条1項)
| 項目 | 示す内容 | 書き方の注意 |
|---|---|---|
| 発注者と受注者の識別 | 商号、氏名、名称、または事業者別に付した番号・記号などで、双方を識別できるもの | 個人の外注先は氏名で足りる。社内の管理番号や外注先ID方式を使う場合は、番号と名称の対応が後から追える状態にする |
| 委託をした日 | 業務委託をした日 | 発注メールの送信日と一致させる。口頭で先に合意した場合は、その日をどう扱うかを決めておく |
| 給付の内容 | 提供される役務、または作成・製造される成果物の内容 | 仕様書や別紙に特定して書く。「一式」「その他付随する業務」だけの書き方は避け、範囲を判断できる粒度にする |
| 受領の期日 | 給付を受領し、または役務の提供を受ける期日(期間を定めるときはその期間) | 納期を一つの日にするのか、期間で定めるのかを決める。分割納品なら回ごとに示す |
| 受領の場所 | 給付を受領し、または役務の提供を受ける場所 | 電子的に納品を受ける場合は、納品を受ける方法や宛先で特定する書き方が考えられる |
| 検査の完了期日 | 給付の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日 | 検査をしない場合は不要。検査をするなら、期日を日付か「受領から○日以内」の形で示す |
| 報酬の額と支払期日 | 報酬の額、支払期日 | 額は具体的な金額が原則。支払期日は受領した日から60日の期間内に収まる日を定める。税込か税別かを必ず明記する |
| 特別な支払方法に関する事項 | 手形の交付、金融機関を通じた一括決済の方式、電子記録債権、資金移動業者の口座への資金移動などを使う場合に、その内容 | 該当する支払方法を取る場合に限って示す。通常の銀行振込は、この項目の対象として列挙されていない |
| 未定事項 | 明示時点で内容を定められない事項がある場合は、定められない理由と、定める予定の期日 | 決められない事項を具体的に挙げ、いつ決めるかを日付で示す |
表の「報酬の額」には例外があります。具体的な金額を明示することが困難なやむを得ない事情があるときは、金額を定める算定方法を明示すれば足ります(施行規則1条3項)。たとえば、稼働時間に単価を掛けて報酬を決める場合は、単価と、稼働時間の数え方・報告の方法を示すことになります。「協議の上で決める」だけでは、算定方法を示したことにならないと見られます。
取適法の対象になる取引では、条文自体が「支払方法」を明示事項に挙げています(取適法4条1項)。さらに、取適法の明示に関する公正取引委員会規則1条1項は、原材料等を委託事業者から購入させる場合の事項(品名、数量、対価、引渡しの期日、決済の期日と方法)も挙げています。フリーランス法の規則の列挙には、通常の振込などの支払方法は項目として含まれていませんが、振込先や振込手数料の負担まで書いた発注書にしておくと、両方の法律に対応できます。
発注の場面によって、発注書に厚く書く部分は変わります。次の三つの場面で、書き方の重点を比べておきます。
場面別の発注書の重点(一般的な整理)
単発の制作の依頼
- 給付の内容を仕様や別紙で特定する
- 受領の期日と場所、検査の完了期日を日付で示す
- 報酬の額(税込か税別か)と支払期日を示す
- 修正の範囲は、別の条項か別紙に置く
毎月続く運用・支援の依頼
- 基本契約に共通の事項(支払期日の定め方、検査の有無)を置く
- 月ごとの発注書に、期間、業務の範囲、月額または算定方法を示す
- 稼働報告の様式と提出期限を示す
- 契約期間と更新の定めを確認する
成果に連動する報酬の依頼
- 報酬の算定方法(基本報酬、成果の定義、換算の式)を示す
- 成果を測る時点とデータの元を示す
- 報酬を確定する時期と、支払期日の関係を示す
- 具体的な金額は、成果確定後に別途示す旨を明らかにする
共通の事項を基本契約に置いても、案件ごとの事項は個別に示します。
「直ちに」の意味と、決まらない事項の扱い
3条1項は、委託をしたら「直ちに」示すことを求めています。条文には具体的な日数が書かれていません。日数の目安は、所管官庁の解説資料の原文で確認が必要です。実務の運用としては、発注と同時に、遅くとも着手の前に示す形にしておけば、「直ちに」に近づけます。
ただし、条文には例外があります。明示事項のうち、内容が定められないことについて正当な理由があるものは、明示を要しません。その場合、発注者は、内容が定められた後直ちに、その事項を示さなければなりません(3条1項ただし書)。この例外を使うときは、次の点を押さえます。
- 示せない事項があるときは、その事項について、内容が定められない理由と、内容を定める予定の期日を、最初の明示の中に書く(施行規則1条1項12号)。
- 後から未定事項を示すときは、最初の明示との関連性を確認できるようにする(施行規則1条5項)。同じ案件番号を使うなど、最初の発注書と結び付けられる形にする。
- 「正当な理由」の中身は、所管官庁の解説で確認が必要です。仕様の検討が間に合っていないだけ、という事情では、説明が難しいと見られます。
決まらない事項があるときの流れ
- 委託日
委託をする
決まっている事項を直ちに示す。未定事項は、定められない理由と予定期日を添える
- 予定期日
未定事項を定める
最初の明示に書いた予定期日までに定める
- 確定後直ちに
未定事項を示す
最初の発注書と結び付けられる形で、書面または電磁的方法で示す
予定期日までに定まらないときは、予定期日を見直して再度示すことになります。見直しの手順も、基本契約に書いておきます。
条文例第○条(未定事項の取扱い)
- 甲は、個別の発注の時点で内容を定められない事項があるときは、当該事項の内容が定められない理由及び当該事項の内容を定める予定の期日を、発注書に記載する。
- 甲は、前項の事項の内容が定まったときは、直ちに、当該発注書の番号を付して、乙に示す。
- 甲及び乙は、前項の事項の内容が定まるまでの間に生じた作業について、その範囲及び報酬の取扱いを、あらかじめ協議して定める。
未定事項を示すときは、最初の発注書の番号を引き継いで、関連性を確認できるようにする
電子メール・チャットで示す場合の要件と、書面交付の請求への対応
電磁的方法で示すことは、法律上認められています。施行規則2条1項は、方法を次の二つとしています。
- 電子メールその他の、受信する者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法2条1号の電気通信)により送信する方法
- 電磁的記録媒体に、明示事項を記録したファイルを調製して交付する方法
どちらの方法でも、明示事項は、文字、番号、記号その他の符号で表示される方法でなければなりません(施行規則2条2項)。また、電子メールなどによる明示は、相手方の使用する通信端末機器などで受信した時に到達したものとみなされます(施行規則1条6項)。送ったつもりでも、相手方が受信できていなければ、明示したことになりません。送信のログと、相手の受信を確かめられる記録を残しておくと、後で説明できます。
チャットで依頼することが多い場合は、次の点で運用を決めておきます。
- チャットのやり取りが、相手方を特定して伝達する通信になっているか(特定の相手への連絡か、不特定の者が見られる掲示に置いているだけか)。
- 明示事項が一つのメッセージにまとまっているか。複数のメッセージに分かれるときは、どれが発注の明示かが分かる状態か。
- メッセージが後から消える設定になっていないか。保存期間と、控えの残し方を決めているか。
次に、書面の交付を求められたときの対応です。電磁的方法で明示した場合に、相手方から、明示事項を記載した書面の交付を求められたときは、発注者は遅滞なく書面を交付しなければなりません(3条2項本文)。ただし、特定受託事業者の保護に支障がない場合として、施行規則3条2項が次の例外を定めています。
書面交付の請求に応じなくてよい場合(施行規則3条2項)
1号
特定受託事業者からの電磁的方法による提供の求めに応じて、明示をした場合
2号
業務委託事業者が作成した定型約款(民法548条の2第1項)を内容とする業務委託で、インターネットのみを利用する方法で締結された契約に係るものであり、その定型約款をインターネットを利用して特定受託事業者が閲覧できる状態に置いている場合
3号
すでに3条1項または2項に基づく書面の交付をしている場合
1号・2号の場合でも、電子メールなどで明示した後に、特定受託事業者が自分の責めに帰すべき事由なく、明示事項を閲覧できなくなったときは、例外に当たりません。
書面の交付を求められたときの確認
相手方から書面の交付を求められましたか。
はい次の問いへ進みます。
いいえ書面を交付する義務は生じていません。
すでに書面を交付している案件ですか。
はい3号により、改めて交付しなくてよい場合です。
いいえ次の問いへ進みます。
相手方が電磁的方法による提供を求めて、それに応じた明示ですか。
はい1号により、書面を交付しなくてよい場合です。ただし、閲覧できなくなった場合を除きます。
いいえ次の問いへ進みます。
規約(定型約款)をインターネットのみで締結し、相手方が規約をいつでも閲覧できる状態ですか。
はい2号により、書面を交付しなくてよい場合です。ただし、閲覧できなくなった場合を除きます。
いいえ遅滞なく、書面を交付します。
取適法の対象になる取引では、書面交付の請求への例外の要件が異なります(取適法の明示に関する公正取引委員会規則4条)。
取適法では、明示事項を記載した書面の交付義務の例外が、中小受託事業者から電磁的方法による提供を希望する旨の申出(書面または電磁的方法によるもの)があった場合や、すでに書面の交付がされていた場合などとして定められています。フリーランス法の規則とは要件が異なるため、両方の法律が関わる取引では、それぞれの要件を確かめます。
基本契約と個別の発注、条件の変更、規約での発注
継続的に発注する場合は、共通の事項を基本契約であらかじめ示しておく方法があります。施行規則1条4項は、明示事項が一定期間の業務委託について共通であるものとして、あらかじめ書面または電磁的方法により示されたときは、その期間内の業務委託の明示は、あらかじめ示されたところによる旨を明らかにすれば足りるとしています。たとえば、検査の完了期日の定め方や、報酬の支払期日の定め方が毎回同じなら、基本契約に置いて、個別の発注書には「基本契約第○条による」と書けます。
ただし、案件ごとに違う事項(委託日、給付の内容、受領の期日と場所、報酬の額など)は、個別に示します。共通化できるのは、本当に共通のものだけです。
書き方の例(一般的な例) 基本契約と発注書の分け方
共通の事項の置き方
理由共通化できるのは、期間を通じて同じ事項だけ。案件ごとの事項まで基本契約に押し込むと、個別の明示が足りなくなる。
変更が出たとき
理由条文は変更時の明示を直接定めていないが、示し直しの記録がないと、何をいくらで頼んだかが不明になる。内容の変更を責めのない相手に強制することは、別に禁止されている(フリーランス法5条2項2号)。
規約(定型約款)で発注する運用では、条件を示す場所が規約になります。規約を内容とする契約が、インターネットのみで締結され、相手方がインターネットで規約を閲覧できる状態に置かれていれば、書面交付の請求に応じなくてよい場合があります(施行規則3条2項2号)。逆にいえば、規約を閲覧できなくした場合や、規約を変更して旧版を見られなくした場合は、この例外に当たらなくなります。民法の定型約款の変更の規定(民法548条の4)が定める、効力発生時期と変更内容の周知の手順も、あわせて守ります。
変更の示し直しで特に注意したいのは、発注者の側から出る「小さな追加」です。「ついでにこれも」という一言のチャットは、業務の範囲、納期、報酬のいずれかを変える可能性があります。変更が出たら、変わった事項だけを示し直せば足りるのか、報酬や納期にも影響するのかを、その場で確認します。追加の依頼の扱いは仕様と追加依頼のページで整理します。
示した記録の保存も、運用の一部です。取適法の対象になる取引では、委託事業者に、給付、受領、代金の支払などを記載した書類の作成と保存が義務づけられています(取適法7条)。公正取引委員会規則では、書類は記載すべき事項の全部を記載した日から二年間保存することとされています(取適法7条の書類等の作成及び保存に関する規則3条)。フリーランス法の条文には、同じ内容の保存の定めは見当たりませんが、後から説明できるよう、明示の控えを取引の記録として保存しておくと、トラブルのときに役立ちます。
明示に関するフリーランス法と取適法の主な違い
| 項目 | フリーランス法 | 取適法 |
|---|---|---|
| 明示の義務を負う者 | 業務委託事業者(相手方が特定受託事業者に当たる場合)。従業員の有無を問わない | 委託事業者(資本金・従業員の基準に当たる法人) |
| 条文上の主な明示事項 | 給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項(3条1項)。詳細は施行規則1条1項 | 給付の内容、代金の額、支払期日、支払方法その他の事項(4条1項)。詳細は取適法の明示に関する規則1条1項 |
| 書面交付の請求への例外 | 施行規則3条2項(求めに応じた電磁的提供、インターネットのみで締結した規約、すでに書面を交付済み) | 取適法の明示に関する規則4条(申出に基づく電磁的提供、すでに書面を交付済みなど) |
| 未定事項 | 理由と予定期日を示し、定まったら直ちに示す(3条1項ただし書、施行規則1条1項12号) | 同趣旨の定め(4条1項ただし書、取適法の明示に関する規則1条1項8号) |
| 書類の作成・保存 | 条文には、同内容の定めは見当たらない | 作成と保存の義務。二年間(7条、書類等の作成及び保存に関する規則3条) |
| 違反の場合の措置 | 勧告(8条1項)、命令(9条1項)、命令違反は罰金(24条1号) | 明示事項の不明示や書面の不交付には、罰金の定めがある(14条1号・2号)。指導及び助言(8条)の対象にもなる |
表は、条文を並べて要点を比べたものです。両方の法律が関わる取引では、それぞれの要件を満たす発注書の様式を一つ作っておくと、運用を分けずに済みます。
発注書の様式の点検と、起きがちなこと
発注書の様式を作る前に確認すること
- 当事者の識別ができる名称または番号が入っているか。
- 委託日、給付の内容、受領の期日と場所が入っているか。給付の内容が、別紙や仕様書で特定されているか。
- 検査をする場合、その完了期日が入っているか。
- 報酬の額(税込か税別かの明記を含む)と、支払期日が入っているか。支払期日が、受領した日から60日の期間内に収まるか。
- 特別な支払方法(手形、電子記録債権、資金移動業者の口座への資金移動など)を使う場合、その事項が入っているか。
- 未定事項があるとき、定められない理由と予定期日が入っているか。
- 電子メールなどで送る場合、送信と受信の記録が残るか。書面の交付を求められたときの様式と担当が決まっているか。
明示でつまずきやすい場面
- 発注メールに、給付の内容と報酬の額は書いたが、支払期日と受領の期日を書いていなかった。
- 基本契約に「報酬は別途協議する」とだけ置き、発注のたびの金額や算定方法が示されていなかった。
- 稼働時間に応じて報酬を払う業務で、単価や時間の数え方を示さず、後で認識がずれた。
- 電子メールで送ったが、宛先の誤りや、相手の受信設定のために届いていなかった。
- チャットで頼んだ内容が、後から消えるメッセージの設定のため残っていなかった。
- 未定事項を使えば何でも後で決めてよいと考え、定められない理由も予定期日も示さなかった。
明示の義務に違反した場合、フリーランス法では、公正取引委員会が、速やかに明示すべきことなどを勧告できます(8条1項)。勧告に従わなければ命令が出され(9条1項)、命令に違反した場合は罰金(50万円以下)の対象になります(24条1号)。取適法では、明示すべき事項を明示しなかった場合や、書面を交付しなかった場合は、違反行為をした委託事業者の代表者や従業者などが50万円以下の罰金に処される定めがあります(14条1号・2号)。行政の対応の流れはトラブルとよくある質問のページで整理します。仕様が固まらないまま発注する場合の扱いは仕様と追加依頼のページに置いています。
よくあるご質問
発注をチャットだけで行っても問題ありませんか?
電磁的方法による明示は認められています。ただし、その方法は、電子メールその他の、受信する者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信によるものか、記録媒体の交付に限られます(施行規則2条1項)。明示事項は、文字、番号、記号などで表示される必要があります(同条2項)。相手方を特定して送るチャットであれば要件に当たり得ますが、所管官庁の解説で、使うサービスごとの扱いを確認することをおすすめします。明示事項が一つのメッセージにまとまり、後から確認できる形で残ることも、運用上は大切です。
報酬の金額が、作業が終わるまで確定しません。どう示せばよいですか?
具体的な金額を示すことが困難なやむを得ない事情があるときは、報酬の具体的な金額を定めることとなる算定方法を示せば足ります(施行規則1条3項)。時間単価と稼働時間の数え方、成果物の単価と数量の確定方法、成果に連動する場合の数値の取得時点などを示します。「協議の上で決める」とだけ書くのでは、算定方法を示したことになりません。
相手方から「書面でください」と言われたら、必ず書面を渡すのですか?
電磁的方法で明示した場合に書面の交付を求められたときは、遅滞なく書面を交付する義務があります(フリーランス法3条2項)。ただし、相手方の求めに応じて電磁的方法で明示した場合、規約をインターネットのみで締結し閲覧できる状態に置いている場合、すでに書面を交付している場合は、例外に当たります(施行規則3条2項)。例外の場合も、後から明示事項を閲覧できなくなったときは、例外に当たらなくなる場合があります。
基本契約を結んでいれば、毎回の発注書は省略できますか?
共通の事項は、あらかじめ示したところによる旨を明らかにすれば足ります(施行規則1条4項)。しかし、委託日、給付の内容、受領の期日と場所、報酬の額など、案件ごとに違う事項は、案件ごとに示す必要があります。基本契約で共通化できる範囲と、発注書に残す事項を、あらかじめ分けておきます。
条件を示さなかった場合、どうなりますか?
公正取引委員会は、フリーランス法3条に違反したと認めるときは、速やかに明示すべきことなどを勧告できます(8条1項)。勧告に従わなければ命令が出され(9条1項)、命令に違反した場合は50万円以下の罰金の対象になります(24条1号)。取適法の対象になる取引では、明示すべき事項を明示しなかった場合などについて、違反行為をした者に50万円以下の罰金を科す定めがあります(14条1号)。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、委託の内容や相手方の事業の形によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています(最終確認日:2026年10月21日)。参考: e-Gov法令検索 / 公正取引委員会 / 厚生労働省 / 中小企業庁